ポケモンリーグ2000 東京大会の準々決勝 および 決勝動画

最近たまたまYoutube見てたら動画を見つけて、いつか書こうと思ってた記事です。
せっかく金銀の記事を書いた直後なので「いまでしょ!」ということで書いてみます。


2000年11月3日の大会の動画なので、14年半も昔でまだジム城が出来るより前の対戦ですが個人的には参考になる部分が多いです。

是非見たことない人は見てほしいです。(特に金銀を現役でやってる人)


準々決勝 優勝者のスターミーさん(HN) 対 ハナダジムリーダーのみかえるさん

55カビゴン 50ガラガラ 50スターミー 50ゲンガー 50リザードン 50ハッサム

52フーディン 52スターミー 52サンダー 51カビゴン 51ブラッキー 51ムウマ


選出されたのは

55カビゴン 50スターミー 50ゲンガー

52フーディン 51ブラッキー 51ムウマ


・時代背景解説 その1

当時カビゴンは基本50で使われていたのが
のしかかり 地震 カウンター 自爆@食べ残し

というのがほとんどで、55カビに身代わりが入るのは割と普通だった。(50カビののしかかりを耐える、あと自爆やカウンター対策になる)

大会翌々日の2000年11月5日のTHEポケモンパーフェクト攻略のオフ会の総当たりで3位(4位だったかも?)だったモグリちゃんは身代わり残飯地割れ眠るカビを使っていたし、東京大会優勝者のスターミーさん等 トレーナーズCOMというサイトのメンバーに身代わり太鼓カビ使いが複数いた。


・試合解説

序盤、毒をうまく仕込んだりブラッキーの粉の発動運が良かったりとみかえる氏がリード。
途中、太鼓を警戒しない甘える等で危ない処があったものの、カビゴンを無事ムウマで役割通り処理しほぼ勝ちは揺るぎないかと思われたみかえる氏。

しかし、スターミーさんのスターミーが大活躍。
敗勢濃厚な所から急所と粉で一気に巻き返す。

みかえる氏の敗着は10分19秒のムウマが出てきたゲンガーに対してくろまなした後に引っ込めてしまったこと。
ここで滅びでゲンガーと共倒れしておけばまだブラッキーが乱数(+粉)で耐える可能性がかなりあった。 乱数だけでも24/39の確率で耐えるので急所を差し引いても勝率的には65%くらいはあったのではないだろうか。


51スターミー→50ブラッキー の波乗り

ダメージ:45〜54 (22%〜26%)
(急所ヒット時:89〜105)

相手のHP:205/205

必要攻撃回数:4〜5発
(すべて普通に当れば8.97%の確率で4発)

普通は4発耐える処、急所ヒット時89〜105の所を102ダメージを引いたのでみかえる氏が残り波乗り1発で確定で落ちると勘違いしてしまった可能性アリ。(残りHP51)
そのへんの後からならわかる心理的な葛藤も含め、見る価値がある名試合。

決勝 優勝者のスターミーさん 対 準優勝者のオプタンさん


55カビゴン 50ガラガラ 50スターミー 50ゲンガー 50リザードン 50ハッサム

52カビゴン 52ハピナス 52エーフィ 51カイリキー 51ハガネール 51サンダース


選出されたのは

55カビゴン 50スターミー 50ゲンガー

52カビゴン 51カイリキー 51ハガネール


・時代背景解説 その2

金銀初期は割と単純に殴り合う時代ではあったもののオフ勢を中心に吠える吹き飛ばしなどのコンボ対策の重要性は共有されつつあった。
エアームドはまだ誰も使ってる人がいなかったし、スイクンライコウは厳選が超絶難しい環境(クリスタル発売前)だったので吠えるがすんなり入るハガネールは当時ガラガラより圧倒的にKPが高く、オフ会での上位10には常に入る感じの超メジャーキャラであった。
なお余談ではあるが当時のハガネールは先制の爪持ちがほとんどであったが、当時は雪崩持ちカイリキーやカビゴン等意外と先制の爪を持たせたくなるポケモンは多く、アイテム的なコストの低さはそこまで言われていなかった。

・補足(ネール)

ハガネールの全盛期は3回あり、1回目が2000年の夏にニンテンドウカップ2000のルールが発表されホウオウルギアなどが無し、アイテム被り無しが一般的になってからクリスタル発売でガラガラが再注目されるまでの4か月間。
2回目の全盛期は2007年に朽さんがネール入りカビパを完成させてからしばらくの間。(朽さんが作成直後にジム城の大会優勝した上、その1年半後くらいに全く同じパーティを使って大会で優勝した人もいた。ちょっと時期は曖昧だけれども。)
そして3回目の全盛期はマリオパのようなTAに対して強いということで注目された2014年中盤〜2014年頭くらい?(詳しい期間は良く知らない)


・試合解説

最初のカビ対カビの身代わりは定石と言えるもので、先述のように低レベルカビののしかかりを耐えるしカウンターや自爆対策にもなるので割とテンプレ。

2ターン目の太鼓が完全な悪手でハガネールの吠えるの存在を完全に失念していたのか緊張で頭が真っ白になっていたか 理由は今となってはわからないがこれで会場の誰もがオプタン氏の優勢、いや勝勢だと思っていた。

その後はゲンガーのカウンターを透かしたり(これ地味に凄い) 有利を維持しながらサイクル戦になるのだが契機となるのが4分33秒のスターミーのサイコキネシスでの特防ダウン。

この試合はスターミーの光の粉の発動で全てが決まったかのように言われることが多いし、実際この動画を見てそういう風に捉える人も多いだろう。

しかし、スターミーさんが敗勢の所からきちんと粘り強く戦いこの特防ダウンを引いたことが大きい。 相手が自爆を選んだのも一言で「焦った」から。

本来ならゲンガーが相手の控えにいること、また交代で出てきたことがあること さらに言うならば控えがハガネールとカイリキーでスターミーに勝てないのでカビを失ってしまっては勝てないという状態なので悪手である。
まぁ当たれば結果オーライとも言えるがゲンガーにチェンジされる可能性は十二分にあるわけで。


オプタン氏に試合後に直接話を聞いた僕だから間違いのない情報だけれども、あそこで特防ダウンが無かったら自爆はしなかったとのこと。


なおカビの自爆を交わされた後も一応勝ち筋はあった。
ハガネールでスターミー相手に爪地震を決めているが、ここで爆破していれば残りはカビゴンゲンガー対カイリキー。

そこで読み合いにはなるがゲンガーのカウンターに対してカイリキーが大文字を打っていればまだわらかなかった。(オプタン氏は予選にてトレーナーズCOM勢のクレア氏のへラクロスのカウンターに対して文字を決めており、相手にも文字がバレている可能性は高かったが)



・・・とはいえ、あくまで蛇足に過ぎない。全てはカビ側が焦って自爆したこと、スターミー側がカビ側を焦らせて自爆させたことに尽きるだろう。


この試合から得られる教訓は以下の3点

1.敗勢になっても決して諦めてはいけない。粘り強く戦えばチャンスは訪れる。
2.人間焦ってしまうと正常な判断ができなくなる。大舞台かつ時間制限という特殊な環境において人間は簡単にミスを犯す。スターミーさんのネールの前での太鼓しかり、オプタンさんの☆への自爆しかり。
3.粉ってアイテムくっそつっよwwwww 何これ理論値最強じゃんwwwwヤバスwwwww


東京大会の決勝、勝ったほうのみが全国大会に行けるという大一番。
しかも録画されたダイジェスト版がテレビ放映までされた有名ではあるが、全国大会の決勝ほどの知名度は無い試合。


そんな凄い大事な試合を当時東京大会の会場で生で見た僕にとっては、いつまで経ってもポケモンの原点と言える伝説の試合なのである。
あの時のカビが自爆した時から粉で躱すまでの数秒間の盛り上がりは一生忘れられないだろう。